2025-06-22 • 08:55:19

震度4の揺れを悪石島で観測したほか、震度3が小宝島、震度2を奄美市、震度1の揺れを中之島と宝島、諏訪之瀬島、喜界島で観測しました。
震源地はトカラ列島近海で、震源の深さは20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.2と推定されています。
この地震で、気象庁は、鹿児島県で強い揺れが予想されるとして緊急地震速報を発表しましたが、震度5弱以上の強い揺れは観測されませんでした。
気象庁は、「緊急地震速報は地震直後のわずかな時間で揺れを予測するため、震度で1段階程度の誤差が生じることがあるが、速報が出たときには強い揺れに警戒してほしい」としています。
トカラ列島近海 地震活動活発
トカラ列島近海を中心に21日朝から地震が相次いでいて、福岡管区気象台によりますと午後2時までに、▽震度4を1回、▽震度3を7回、▽震度2を18回、▽震度1を70回観測しています。
トカラ列島の悪石島や小宝島付近では、これまでもときどきまとまった地震活動が確認されています。
2023年9月には震度1以上の揺れを観測する地震が346回にのぼりました。また、2021年12月9日にはマグニチュード6.1の地震が起きて、悪石島で震度5強の揺れを観測しています。
気象庁は、当面地震に伴う揺れに注意し、家具の固定など日ごろの備えを改めて確認するよう呼びかけています。
“被害の情報なし” 鹿児島中央警察署
震度4の揺れを観測した鹿児島県の十島村を管轄する鹿児島中央警察署によりますと、午後5時15分現在、被害の情報は入っていないということです。
十島村役場「いまのところ被害の確認ない」
十島村役場によりますと、震度4の揺れを観測した悪石島について「現地に被害を確認したが、縦揺れが一瞬あったということで、いまのところ被害の確認はない」と話しています。
民宿の経営者「5秒間くらいの短い横揺れ」
震度4の揺れを観測した悪石島で民宿を営む西恵子さんは「ガタガタという音がした後、5秒間くらいの短い横揺れを感じました。体感的には昼間の震度4の揺れよりも強く感じました」と話していました。
十島村とは
十島村は屋久島と奄美大島の間に位置し、12の島からなる自治体で南北およそ160キロに渡ります。
7つの島に5月31日時点であわせて669人が住んでいて、このうち悪石島は有人の島のうち北から5番目に位置し、村のホームページによりますと43世帯、89人が暮らしています。
週に2便、運航している村営のフェリーが唯一の定期航路で、鹿児島市からは10時間あまりかかります。
島の周囲は12キロあまり、主な産業は畜産業と漁業で、小中学生が通う学校や診療所、村の出張所があります。
過去の地震活動と被害
トカラ列島近海の今回の震源の周辺では、過去にも活発な地震活動が見られています。
気象台によりますと、2023年9月には、8日から30日までに震度1以上の揺れを伴う地震が346回発生しました。
このときの▽最大震度は4で、9日と11日に発生し、▽9日は一日で、全体の半数を超える195回の地震がありました。
2021年12月も、4日から31日にかけて震度1以上の揺れを伴う地震が308回発生していて、9日には深さ14キロを震源とするマグニチュード6.1の地震が起きて、悪石島で震度5強を観測しました。
県によりますと、海沿いで崖崩れが起きましたが、人的な被害はなかったということです。
また希望した島の住民が、村営のフェリーで鹿児島市や奄美大島に避難しました。
さらに、2000年10月にも地震活動が活発になり、2日に発生した深さ25キロを震源とするマグニチュード5.9の地震で、悪石島で震度5強の揺れを観測ました。
この2日には、ほかにも悪石島で震度5弱を観測する地震が2回起きていて、総務省消防庁などによりますと一連の地震で島では水道管が破損したり、建物の壁にひびが入ったりする被害が出たということです。