熊本県の菊池村に、ひよりみどんという男がいました。ひよりみどんは、髪の毛が長くて、体も洗わず、いつも同じ服を着ていました。
ひよりみどんは、天気をよく当てました。村の人が「麦を刈ります」と言うと、「明日は晴れます」と言って、当たりました。「豆の種をまきます」と言うと、「今晩は雨が降ります」と言って、当たりました。村の人は、ひよりみどんのおかげで、農業がよくできました。
あるとき、隣の山の殿様が、ひよりみどんのことを聞きました。ひよりみどんは、城に連れて行かれました。殿様は、狩りが好きで、「明日の天気を当てろ」と言いました。しかし、ひよりみどんは、天気が分かりませんでした。ひよりみどんは、晴れると言いましたが、雨が降って、殿様は怒りました。
ひよりみどんは、村に帰りました。村の人は喜びました。ひよりみどんは、また村の人のために天気を当てました。
ひよりみどんの体は、雨が降るときは湿って、晴れるときは乾きました。ひよりみどんは、体を触って天気を当てていました。城で体を{きれい}に洗ってもらったため、天気が分からなくなったのです。